花火史blog Written by 花火歴史家

【1808年創業】江戸で人気の花火店 玉屋の歴史を紹介します

歴史

江戸の人々に愛された花火店「玉屋」の歴史を紹介します。鍵屋の分家である「玉屋」。その才能は尋常ではなかったそうです。隅田川花火大会の原型となる川開き花火大会では鍵屋と玉屋が趣向を凝らして技を競い合いました。

この記事は
「玉屋の歴史を知りたいな」
という方に向けた記事になります。

こんにちは花火歴史家です。
30冊以上の書籍から花火の歴史を調べました。
本記事は「花火史年表」という私のブログ記事から「玉屋」を抜粋しました。

【1808年創業】江戸で人気の花火店 玉屋の歴史を紹介します

1808年 文化5年 江戸玉屋

鍵屋のれん分けして分家玉屋を両国吉川町に作る。鍵屋の守護神であるお稲荷さんの狐は、一方が鍵を持ち、一方が擬宝珠を持っていたが、鍵屋八代目は独立に当たってこの玉を与え、玉屋の屋号を許したという。
「参考文献 : 日本の花火のあゆみ,武藤 輝彦,あずさ書店,2000年10月01日」

1810年 文化7年 玉屋

鍵屋が6代目になった文化7年に、鍵屋の手代だった清吉が別家して両国吉川町に「玉屋」の看板を上げた。江戸商人は丁稚、手代、番頭といった身分階級が厳しかったが、番頭にならなければ分家、別家など「のれん分け」はしてもらえなかった。こういう習慣を破って手代で主人の6代目鍵屋弥兵衛に信用され、店を持たせてもらえたのだから、清吉の才能は尋常ではなかったと考えられる。火を扱う商店として、鍵屋は特に鍵屋稲荷を守護神にしていた。その祠の前の狐の一方が鍵を、一方が擬宝珠(ぎぼし)の玉を持っていた。鍵屋は清吉を別家させるときにこの玉を与えた。以来、清吉は市兵衛と改名の上、玉屋として独立したのである。
「参考文献 : 花火-火の芸術,小勝郷右 著,岩波書店,1983年7月」

このころ玉屋が鍵屋から分家する。
「参考資料 : 長野市立博物館 2階展示室 煙火コーナー」

この頃、玉屋が鍵屋から分家、独立。
「参考資料 : 両国花火資料館 展示室」

1842年 天保13年 玉屋と鍵屋

幕府が、玉屋と鍵屋を呼び出し、大川筋の花火に代銀3匁以上の費用をかける事と、花火からくり(仕掛花火)、筒物を禁止する。
「参考資料 : 両国花火資料館 展示室」

1843年 天保14年4月17日 江戸玉屋

江戸玉屋 出火。街を半町ほど類焼させてしまった。その翌日たまたま将軍家慶が日光東照宮に参拝することになっていたため、市内を騒がせた不届至極ということで、所払いで追放となり、玉屋は断絶してしまった。一代30年しか存在せず、川開きで技を競った期間は20年あまり。
「参考文献 : 日本の花火のあゆみ,武藤 輝彦,あずさ書店,2000年10月01日」

1843年 天保14年5月17日 玉屋の興亡

玉屋市兵衛方から出火。玉屋は全焼したばかりか街並みを半町ほども類焼させてしまった。たまたま出火の日が将軍家慶の日光東照宮へ参拝に出立する前日であったことから、玉屋は闕所(けっしょ、財産没収)、江戸お構い(追放)になってしまった。後に玉屋は営業を再開したが、昔日の隆盛を取り戻すことは出来なかった。
「参考文献 : 花火-火の芸術,小勝郷右 著,岩波書店,1983年7月」

1843年 天保14年 玉屋失火

玉屋失火。所払いとなる。”所払い”という罰は最も軽く、”江戸払い”と異なり居住地区を離れる事で、一説には浅草東本願寺脇の「誓願寺前」または「深川海辺大工町」へ移ったと言われている。
「参考文献 : 日本の花火のあゆみ,武藤 輝彦,あずさ書店,2000年10月01日」

将軍日光社参の前夜、玉屋失火。所払いとなる。
「参考資料 : 両国花火資料館 展示室」

仕掛花火

鍵屋、玉屋のような花火専門業者の花火は町人花火。色や形を楽しむ仕掛け花火を中心とした、いわば平面に特化した花火が町人花火。

煙火に用いた硫黄

花火師としては鍵屋弥兵衛が最も古く、横山町に店を構え打ち上げ花火のほか目新しいネズミ花火などカラクリ物も手掛けて、市井の人たちの評判をよんでいた。江戸名物両国大川の川開きの花火には、鍵屋と分家の玉屋が趣向をこらして技を競い合ったことは有名である。これにならい、地方各地でも花火は諸行事に欠かせないものとして流行をみるようになった。このことは硫黄の需要をさらに高めたであろう。花火における火薬類の調合は、その家代々の直伝でありすべて口伝となっていたようであるが、鍵屋の秘伝書として今日公開されているものとして「大柳-硫黄15、硝石7、樟脳5」「赤い烟-硫黄20、硝石20,ケイカン50」などと示されたものがあって、やはり硫黄は花火火薬の主なるものであったと言える。
「参考資料 : 日本のあかり博物館 博物館ノート」

https://note.com/hanabi_history/n/n76ec1836a968